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一枚のスカーフ

2012/04/22
   
    
    一通の手紙を投函するため

    ポストに向かう道すがら   

    ぽつぽつ雨粒落ちてきて

    書きたての手紙に水玉残した


    ふと視界に入った足元のブロック塀から

    ひと株の菫( スミレ )

    菫の石けんや香水を愛した森茉莉ホウフツ


    右方向から 生暖かい風 
  
    瞬きをする間に どこかの食堂の調理場の匂い連れてきて

    きらめく菫色の憧れも一緒に 遠いところへ流れていってしまった



    雨粒 しだいに やわらかな春雨

    鳥の鳴声くっきりと響きわたり
    
    傘もささず かすんだ空と街の雑踏をすり抜けながら

    昨日のこと想った



    ある方より 
  
    一枚のスカーフをいただいた
    思いがけず あまりに さりげなく手渡され キョトン

    
    彼女は 両手でスカーフの両端つまみ ふわり広げた
    
    シルクの とろけるような感触
    黄みがかった美しいピンク色を基調に
    幻のような オレンジ、ブルーやグリーン
    
    そのスカーフ
    彼女が図柄をデザインした一枚だった。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    
    数ヶ月前、

    代官山 とあるカフェ

    ナッツをキャラメリゼしたお菓子をごちそうになりながら
    こんなお話を伺った。
    
   

    彼女がフランスで生活していたころ
    偶然立ち寄った あるデパートの売り場

    見慣れたスカーフが飾られているのを見つけた。
   
    「 それ 私がデザインしました! 」

     そんなコトバを発することも出来ず飲み込みながら
     その場を後にした。


    日本のアパレル会社でデザインを担当していた時代に
    手がけたスカーフ。
 
    版権が切れ 知らない間にフランスで商品となっていた・・・。

    まさか フランスで自分がデザインしたスカーフに会えるなんて!
    嬉しかった!


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    素敵なエピソードに感激
    現物をこの目で見てみたいなぁ・・・とうっとりした。


    


    そして 昨日 突然そのスカーフを手渡された。

 
    彼女と出逢ったことも不思議
    貴重なスカーフをいただけたことも不思議
    何もかも マボロシのようにフワフワしすぎて
    鳥肌が止まらず 泣きたいのか笑いたいのかすら
    分からなくなった


    彼女の生きてきた人生の1ページが
    私の生きている人生の1ページに描かれ
    まるで そのスカーフのように   
    きらめく さまざまな色彩が
    いつまでも いつまでも 私の心の中を なめらかに漂っていた。


    
    

    

         
    


     
    
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