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紙魚の妄想世界旅行

2010/10/23


   見知らぬもの同士が

 
   
   それぞれの目的で運ばれていく 小さなエレベーター



   とある古い建物の6階



   ヒンヤリした一室



   煙るような うすぼんやりした明かり



   途切れ途切れのラジオ



   空間からこぼれ出しそうな 古写真 古切手 古絵葉書



   紙の集積に埋もれて 顔の見えない店主

   

   例えるならば 堆積した落ち葉の下のドングリ



   抽斗や紙箱にヒッソリ収められた夥しい枚数の古絵葉書



   ふと一枚の絵葉書の前で足を止める



   色褪せたセピア色の植物園



   静かな雨モヤ



   遠くに見える人影



   山高帽に外套姿



   ひとつの蝙蝠傘に溶け込むように3人の紳士



   時間と記憶の断片と想いが染み込んだ紙たち



   その間を流れ星のように さらさらと滑っていく



   紙魚の妄想世界旅行





     フリーペーパー「光の三原色」2008年4月号 掲載
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