Lineament
2013/08/06
鈍色の雲が何層にも垂れ込めた空
その曖昧なカタマリのグラデーションの美しさに
吸い込まれそうになった午後
小包が届けられた。
封を開けると、
静かな重みの黒い冊子が繊細なグラシン紙に包み込まれ
幾重にも折れ重なる紙の層が
目にしたばかりの雲の層にも見えた。
贈り主は、
才能溢れるカメラマン・福井裕子さん☆ 。
昨年10月、展示でご一緒させていただいた際
研ぎ澄まされた感性と新しい感覚に感動ばかりしていた。
その頃 福井さんが見せてくれたのが
その黒い冊子。
私が東京を離れたあと
もう一度 資生堂ギャラリーへ出向き
同じものを手にいれてくれたらしい。
感激! 感謝!
『 Lineament 』 と題された黒い冊子は、
2012年4月7日 ~ 6月17日
東京・銀座 資生堂ギャラリー☆で開催された
さわひらき展のカタログ。
・・・・・・
ある男が虚構と現実の境界が揺らぐ部屋のなかで
記憶を辿る姿を描いており、
「正常」というものが、
いかにあいまいなものなのかということを考えさせてくれます。
・・・・・・・資生堂ギャラリー 展覧会情報より
静かな佇まいの美しい黒いカタログ!
まるで まぶたの裏側に映った世界を
覗きこんでいるような・・・
潜在意識の小さなカケラを繋ぎ合わせたような
一冊!
遠く離れても
同じことで感動できる友人の存在と優しさに
心から感謝。